• テキストサイズ

My important place【D.Gray-man】

第43章 羊の詩(うた).



「…それって、」

「そう。黒の教団」

「…本気で言ってんの?」

「うん。言ったでしょ、雪は大事な家族だって」


 単独で救出に向かうつもりはないらしい。
 しかしその扉の向こうは教団に続いていると言う。

 真意が読めず、訝しげに見下ろしてくるティキを見上げて。ふ、とロードは哀しげに微笑んだ。


「あんなに痛い思いをして怖がってるのに。独りになんてさせられないよ」


 ロードも感じた、強烈な雪の記憶のメモリー。
 それは激しく脳裏に刻まれ植え付けられた。
 見て見ぬフリなど、できるはずがない。


「傍にいてあげたいの。"ボク"は行けないけど、"ボクの代わり"なら、きっと会いに行ける」


 そう口にして、ロードが掲げたのは手にしていた赤い色のリボン。


「夢の中じゃなくて、現実で傍にいてあげたいんだぁ」

「……」

「その気持ちは、きっとティッキーやワイズリー達、みぃんな同じだよね?」


 こてん、と軽く首を傾げて。可愛らしく問いかけてくる少女の優しい笑みに、ティキは小さな溜息をついた。
 無造作に髪を搔き上げて見えた表情に、もう冷たい色は残していない。


「…だからって黙ってやることねぇだろ」

「ふふ、ごめんねぇ。でも千年公にもバレちゃったら、止められちゃうかもしれないし」


 千年伯爵にまで止められたら、会いに行けなくなるかもしれない。
 その可能性は避けたかった。

/ 2655ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp