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My important place【D.Gray-man】

第43章 羊の詩(うた).












 ──熱イ










 最初の感情は、それ










 ──痛イ










 すぐに埋め尽くした悲鳴は、それ










 熱イ

 痛イ

 苦シイ

 痛イ

 熱イ

 痛イ

 痛イ










 肌が焼ける臭い

 焦げ付く痛み

 息が上手くできなくて

 上げた悲鳴も届かない










 痛イ

 止メテ

 苦シイ

 痛イ

 痛イ

 イタイ

 イタイ

 イタイ










 強く眩い明るい光

 それは恐怖の対象でしかなくて

 十字架が

 まるで悪魔の象徴のように見えた










 イタイノハイヤ

 ヤメテ

 ヒドイコトシナイデ

 オネガイ










 悲鳴も懇願も

 何も届かない

 閉じ込められた空間の中で

 身を焼かれる恐怖










 イタイ

 イタイ

 アツイ

 クルシイ

 ヤメテ

 オネガイ

 イタイ

 イタイノハイヤ

 イタイ

 イタイノ










 血中がドクドクと沸騰する感覚

 声にならない叫び

 じゅうじゅうと肌が焼ける音


 枷が絡まり力の入らない体は

 ただ与えられる痛みに耐える他なく

 焼かれた唇をこじ開けて

 声にならない声を絞り出した










 ──たすけて










 それは羊の声だった






























「──」


 ぱち、と開く二つの目。
 はっきりと開いた目が捉えたのは、寝入る前に見た見慣れた天井だった。


「っは…」


 まるで灼熱に焼かれたかのように、褐色の肌を伝う大粒の汗。
 体は動かしていないはずなのに、息は上がっていた。

 はっきりと体を襲った、焼かれる感覚。
 強い痛みを感じた手を見れば、そこには火傷の跡など何もない。

 しかしその痛みは知っていた。

 以前、この身に受けたことがある。
 今でもその傷痕は大きな火傷の跡のように、体の上を大きく横切っているのだから。


「……ちっ」


 顔が歪む。
 ぐっと拳を握って荒く舌打ちをすると、ぼすっ!とシーツの上に打ち付けた。











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