My important place【D.Gray-man】
第43章 羊の詩(うた).
状況に頭が追いつかず狼狽える。
「痛…ッ!?」
じゅっ、と肌が焼けるような音。
再び走った痛みは、今度は何も履いていない足先から。
慌てて見下ろせば、球体に座り込んでいる褐色の素足が焼け爛れていた。
「え…ッ」
嫌な予感がする。
手も足も、それはヘブラスカの髪に触れていた箇所だ。
優しいはずの彼女の髪束に包まれているだけなのに。
雪を取り囲むように覆う十字架模様。
どこか見たことがあるようなその紋様と、どこか感じたことがあるその手足の痛みと。
「ッ…」
ドクドクと心臓が嫌な音を立てて打ち鳴る。
──知って、る
焼け爛れた掌を見つめて、雪は直感した。
幼い頃に何度も与えられた"痛み"。
まるで拒絶されるかのように、何度も両手を激しく焼いた"痛み"。
これはそれと同じ"痛み"だった。
──これは、イノセンスの力だ
ひゅ、と呼吸が震えた。
慌てて辺りを見渡す。
逃れる隙間などない、上も下も一面全て覆っている十字架模様。
輝きが強さを増していく。
その真白な光が、身を焼く炎のように見えた。
「ひ…ッ」
恐怖で声が引き攣る。
再び、じゅっと身を焼く音が木霊した。