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My important place【D.Gray-man】

第43章 羊の詩(うた).



「ぅあ、あぁあ…ッ!」

「く…!?」


 バチンッ!と強い摩擦音と共に一斉に弾かれるヘブラスカの髪束。
 頭を抱えて叫ぶ雪の肌が、褐色へと塗り変わっていく。


「っ雪…! くそ…ッルベリエ! このままじゃマジで雪が暴走しちまうさ!」

「…まだだ。まだもう少し。控えてなさい」


 危険と察知したマダラオが軽く身を屈め、戦闘態勢に入ろうとする。
 それを鋭い目で雪を見据えたまま、ルベリエが片手で制した。

 頭を抱えたまま身を縮ませた体勢で、ヘブラスカの髪束から解放された雪の体が頭から落下する。


「これ以上は…危険…だ…! 私が抑える…!」

「待てヘブラスカ!」


 このまま落下してもノアの力を纏っている雪なら、怪我をしないで済むかもしれない。
 しかしルベリエの言う通り、雪は元々はただの人間。
 ビルの5階建て程ある高さから落ちようものなら、普通の人間ならば良くて骨折、最悪死だ。

 その万が一の可能性を考え、助けようとヘブラスカの髪束が一斉に雪へと伸びる。
 ルベリエの制止も聞かず、大量の髪束で囲うように体を四方から包み込んだ。
 瞬く間に雪の体はヘブラスカの白い体に包まれて見えなくなる。


「っく…ッ」


 バリバリと雪から放出されるエネルギーが、触れたヘブラスカを襲う。
 決して弱くはない刺激に、ヘブラスカが唇を噛み締める。
 その彼女の異変に感化されたのか。
 イン、とヘブラスカの白い体の隅で反応する小さな光を、ラビの目が捉えた。


「あれは…イノセンス?」


 ぽつ、ぽつ、と。
 彼女の体のあちこちで明かりを灯すように、光が宿っていく。

 それはイノセンスの番人であるヘブラスカが、体内で管理している小さな神の結晶。
 適合者の見つかっていない、イノセンスの原石達だった。

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