• テキストサイズ

My important place【D.Gray-man】

第43章 羊の詩(うた).



(…まさか…アレンと同じで、雪はまだノアとして覚醒してないってことさ…?)


 思わず己の口元に手を当てて、ラビは考え込んだ。
 もしパリの任務先で突如ノアの姿を見せた雪の行動が、本人も不本意なものだとしたら。
 それだけで情報の捉え方も変わってくる。


「なので貴女に彼女の体のことを調べてもらいたい」

「…え?」


 淡々とヘブラスカに命ずるルベリエに、反応を示したのは雪だった。
 顔を上げ困惑の残る表情を向けてくる。
 しかしルベリエの姿勢は少しも変わらなかった。


「ヘブラスカはその能力で他人の体内に探りを入れることができる。本当に貴女の言う通り、自身の力を操ることができないのか。調べてみることにしましょう」

「ぅ…嘘なんて言ってません…」

「ならば尚の事、調べる必要がある。ヘブラスカ、やりなさい」

「……」

「月城雪が本当のことを言っているのなら、貴女の能力で証明されるはずです。やりなさい」


 ルベリエの再三の命に、じっと無言で雪を見下ろしていたヘブラスカの髪束が微かに蠢く。
 するするとまるで植物の蔦が這うかのように、通路の柵を乗り越え伸びてくる触手のような髪を目に、雪は息を呑んだ。

 以前、一度その髪に捕われ体を探られたことがある。
 あの時にはもう恐らく、ヘブラスカは雪の中のノアの片鱗に触れていたのだろう。
 だから違和感のようなものがあると口にしていた。

 ぞわぞわと体を襲っていた不快感。
 それを思い出して、雪はふるりと体を震わせた。

/ 2655ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp