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My important place【D.Gray-man】

第43章 羊の詩(うた).



「兄様、トクサ。先を急ぎますわよ」


 マダラオとラビの間で流れる重い空気を止めたのは、サードエクソシストの紅一点、テワクだった。
 彼女の言葉に誰も異論することなく、ラビも先を進むルベリエに続くことにした。


「……」


 ルベリエは雪を何処に連れて行こうとしているのか。
 じっとその背中を翡翠色の目が捉えていると、圧でも感じたのか。顔だけ振り返ったルベリエが、ラビを見て鼻で笑った。


「なに、教団外に連れ出そうなどとは思っていませんから。安心なさい」

「…何処に連れてくんさ?」

「行けばわかります。エクソシスト(貴方)も馴染みある場所ですよ」


 馴染みある場所とは、一体どこなのか。
 疑問には思ったがそれ以上ルベリエに応える気はないらしく、さっさと背を向けられてしまった。


「……」


 仕方なしに再び沈黙を作る。
 隣を見れば、強張った顔でトクサの後ろをついて歩く雪の顔が、薄暗い灯りに照らされていた。
 ラビ本人も予想のつかないことに不安を感じているのに、当人である雪なら尚の事であろう。

 大丈夫、傍についてるから。
 そう声をかけてやりたいのに、言葉を交わすことさえ満足にはできない。
 すぐ隣にいるのに、離れて感じる雪との距離。
 そこに歯痒さを感じながら、それでも何かあれば雪に手が伸ばせる場所で、つかず離れずラビはルベリエの後を追った。






























「──着きましたよ」


 カツカツと足早に進むルベリエが光沢ある革靴を止めるのに、そう時間はかからなかった。
 深い地下の牢獄から出て連れて来られたのは、同じく下層に設置させられた大広間。
 大きな両開きの扉を前にして、ラビと雪はまじまじと口を開いた。


「…此処は…」

「……ヘブラスカの間?」


 それはイノセンスの番人であり寄生型エクソシストである女性、ヘブラスカが住まう大広間だった。

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