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My important place【D.Gray-man】

第43章 羊の詩(うた).



「雪、こいつらになんもされてねぇさ?」

「ぅ…うん。私は大丈夫……それよりコムイ室長は? 別件が入ったって聞いたけど…何があったの?」

「それは──」

「無駄口は叩かないで頂きたいのですが」

「ッ…!」


 横について小声で問いかけてくるラビに、頷きながら雪は一番気にかかることを尋ねようとした。
 すると遮るようにジャッと強く引かれた鎖が、雪の足首を引っ張る。
 皸が擦れ痛みに雪が顔を顰めれば、ラビは鎖の持ち主を睨み付けた。


「おお怖い。長官の言う通り、ハイエナのようですね」


 そんなラビを見て小馬鹿にしたように笑うのは、鎖を手にしたトクサ。


「煽るな、トクサ」

「おっと。すみません」


 雪の背後から低い声と共に鋭い目を向けて咎めるマダラオに、反省した様子はなくトクサはにこりと微笑んだ。


「貴様も教団側についてるブックマンならば、余計な情報を敵に与えるな」


 マダラオの鋭い目が、トクサからラビへと移る。
 淡々と簡単に"敵"と示すマダラオの言葉に、雪は微かに体を強張らせた。


「雪はまだ敵だと決まった訳じゃねぇさ。コムイが許可してねぇだろ」


 そんな雪を目にして、庇うように前に立ったラビがマダラオを睨み返す。


「室長が決めずとも、教皇がそうだと認めれば"敵"となる」

「それだってまだ確定はしてないはずさ。だから雪を"敵"なんて括りで呼ぶのはやめろ」

「……(ラビ…)」


 やはり彼はそうだ。
 いくらブックマンという立場で傍観者であろうとも、雪本人を見て向き合おうとしてくれている。
 根本は優しい心を持った青年。
 そんなラビの態度に、詰まる胸を抑えて雪は彼の高い背中を見上げた。

 数年、共に教団で命を賭し、時に仲間として時に友として過ごした日々は、きっと無駄ではなかったのだと。

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