My important place【D.Gray-man】
第43章 羊の詩(うた).
「雪を何処に連れてく気さ…ッ!」
「っラビ…」
バタバタと息を乱しながら駆けてきたのは、ブックマンとして雪に接触してきていたラビだった。
思わず雪も身を乗り出す。
例え傍観者として傍にいても、ルベリエや謎の鴉に囲まれるよりずっと安心できる相手だ。
「それを君に教える必要があるのかね? "ブックマンJr."」
道を塞ぐように立つラビに、ルベリエは初めて貼り付けていた笑みを消した。
どうやら"ブックマン"としてのラビに対し、良い感情は抱いていないらしい。
「そもそも君はブックマンと、室長に集っていたはずでは?」
「…あそこはジジイ一人で充分さ。オレは雪につく」
「はっ。つくと言っても、彼女に関わるのはブックマン一族としてだろう。ならば口出しするな。情報に集るハイエナめ」
容赦ないルベリエの言葉に、ラビの顔が歪む。
その言葉選びは顔を顰めるものだが、ルベリエが言っていることは的を得ていた。
ブックマンは情報の為なら情を捨て傍観者となる者。
ラビに言い返す言葉はない。
「…じゃあ見てるだけならいいだろ。オレも連れてけ」
それでも退きはしないラビに、ルベリエはふんと鼻を鳴らした。
「私が教団(ここ)に来ているのは極秘です。くれぐれも他者には漏らさないよう願いたい」
「…わかってんさ」
道を譲るように脇に逸れるラビの横を、ルベリエが通り過ぎていく。
トクサに鎖を引かれながら歩く雪を翡翠色の目に映して、ラビは眉を潜めた。