• テキストサイズ

My important place【D.Gray-man】

第43章 羊の詩(うた).



「わかってるよそんなこと…! 言われなくてもわかってる…ッ」



 教団でファインダーとして働くようになって、誰かに縋ることはやめた。
 そうしてひとり立ち続けていた中で、見つけたもの。
 今までの生き方を変える程の思いを、抱えさせてくれた人。
 だからこそ譲れないもの。



「自分でどうにかしなきゃ、自分がどうにかしなきゃって。そう思ってるよ…ッ」



 譲れないものはある。
 しかしそこに縋ろうとは思っていない。
 今更縋ったって、遅いことはわかっていたから。



「でも…想うことくらい……いいでしょ」



 荒かった雪の声が萎んでいく。



「頼ったりしないから……想うだけなら…自由でしょ…」



 俯いて絞り出すように紡がれる言葉。
 そんな雪の姿にティキは僅かに顔を顰めた。


(自由じゃねぇよ。縛られてんだよそれは)


 そう吐き出したくなって、言葉を呑み込む。

 その姿こそ、ティキが一番望んでいないもの。
 神田ユウという見えない鎖に縛られている雪の姿は、ティキには不快でしかなかった。

/ 2655ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp