My important place【D.Gray-man】
第43章 羊の詩(うた).
「わかってるよそんなこと…! 言われなくてもわかってる…ッ」
教団でファインダーとして働くようになって、誰かに縋ることはやめた。
そうしてひとり立ち続けていた中で、見つけたもの。
今までの生き方を変える程の思いを、抱えさせてくれた人。
だからこそ譲れないもの。
「自分でどうにかしなきゃ、自分がどうにかしなきゃって。そう思ってるよ…ッ」
譲れないものはある。
しかしそこに縋ろうとは思っていない。
今更縋ったって、遅いことはわかっていたから。
「でも…想うことくらい……いいでしょ」
荒かった雪の声が萎んでいく。
「頼ったりしないから……想うだけなら…自由でしょ…」
俯いて絞り出すように紡がれる言葉。
そんな雪の姿にティキは僅かに顔を顰めた。
(自由じゃねぇよ。縛られてんだよそれは)
そう吐き出したくなって、言葉を呑み込む。
その姿こそ、ティキが一番望んでいないもの。
神田ユウという見えない鎖に縛られている雪の姿は、ティキには不快でしかなかった。