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My important place【D.Gray-man】

第43章 羊の詩(うた).



「痛い痛いほんと絞まってる雪首が絞まってるから」

「さっきからティキが適当なことばっかり言うからでしょっ! 人は真面目に話してるのに…ッ」

「ごめんって。ちゃんと言うから」



 ギリギリと襟首を掴む雪の手を上から掴んで、どうどうと落ち着かせるようにティキは苦笑混じりに声をかけた。

 博打や鯉好きなのは本音だが、如何せん少し軽過ぎたかもしれない。
 それだけ彼女は真面目にティキ達を憶えていたいと言ってくれたのだ。
 その気持ちをからかいはぐらかす気など、ティキには到底なかった。



「イーズ。モモ。クラック」

「……は?」

「俺の好きなもん。今度は魚とは度合い違うから」

「…イー…?…何それ名前?」



 唐突に聞かされた、名前のような名称3つ。
 クラックは男性名のように感じる。
 イーズももしかしたらそうかもしれない。
 モモは女性だろうか。



「……桃?」

「何それ外国語?」



 思わず雪が日本語で問えば、問い返される。
 当然だが一瞬頭に浮かんだ、薄いピンク色の丸くて瑞々しい果実ではないらしい。
 となるとやはり個人名か何かだろうか。



「ちゃんと憶えてろよ。イーズとモモとクラック」

「…何その呪文」

「呪文じゃなくておまじないだって」



 襟首を掴んでいた手を離させれば、すんなりと落ちる雪の手。
 答えを探し求めているのか、難しい顔をする雪にティキは微かに笑いかけた。



「生魚も好きだけどさ…俺の一番の好物はイーズ達と食う飯なんだよ。料理なんてなんでもいい」



 そう話しながら称えたティキの笑みは柔らかい。


(あ…やっぱり人の名なんだ)


 その名の人物を思い出しているのだろう。柔らかい含みを持たせるティキの微笑みに、なんとなく無性に知りたくなった。
 彼にそこまで思わせる人物は、一体どういう人達なのか。

 しかし雪が目で問いかけも、ティキは笑うばかりでそれ以上は何も詳細を口にはしなかった。

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