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虹彩異色症の女神さんは2人の炎に愛されました【エース・サボ】

第8章 #金色の髪は星のよう


一つの部屋に泊まる2人。

アリスは警戒すらしていない。

それもエースの心配の一つなのだ。



「ったく・・・警戒くれェしろってんだ」

『何で?』

「何でってお前なぁ・・・」

『私さ、傷ついてるのよ?』

「は?」

『私のこと嫌いになった?』

「そうじゃねェよ」



エースはベッドに腰をおろしてアリスを見た。

壁に寄りかかって腕を組んでいる。

だが、アリスの目は、外を見つめていた。



「星出てるのか?」

『分からないわ、ここからじゃね』

「見てみっか!」



エースはアリスの腕を引いて窓の外を見上げた。

天の川だろうか。

無数の星が河を作っている。

それはまるで・・・



「お前の髪の毛みてェに光ってんな」

『そう?』

「やっぱさ、お前もこの髪の毛嫌いになんなよ」

『キラキラしすぎて目障りじゃない?』

「ぜんっぜんそんなことねェ!」



エースはアリスの肩に手を置いた。

アリスは自身の手で髪を掬っている。

複雑な顔をしている。

疎外感と言うものをずっと感じていたに違いない。

一人だけがこの色をしていたのだ。



「自信もっていいと思うぜ?」

『分かってる、けど、やっぱり好きになれない』

「俺さ、母さんの髪色も金色だったらしいんだ、でさ、俺そっちの色を継ぎたかったんだ」

『何で?』

「この色は父親の色でよ・・・俺、父親が大っ嫌いなんだ」

『そう・・・』

「海賊王・・・なんだ」

『ふーん』

「何だ?俺のこと嫌いにならないか?」

『何で?私が愛したのは海賊王の息子じゃない、私が愛したのはポートガス・D・エースよ』

「ッ・・・」



エースは嬉しくなった。

父親が誰かで見られるんじゃなくて、ポートガス・D・エースとして見られたことが。

気にしないでくれることが。



「ありがとな」

『当たり前のことよ』



エースはアリスの頬に口付けた。

アリスはビクンと肩を躍らせた。



『っ・・・』

「なぁ、このまましてもいいか?」

『・・・・いい・・よ』
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