第9章 おでんとお酒
頭がぽーとする…視野が狭くなっていく…今わかるのはいちまつがおれのひざに…
一松side
アイ兄さんがチョロ松兄さんに渡される熱燗を飲んでから少しずつ会話が聞こえなくなってきているみたいだ…目がトローンとしてきて『あー…あー…』と小さく唸っている…
『ぁー…いちまつぅ…』
一)えっ…んんっ…!
『んにゅ…へへっ…いただきましたぁ
一)えっ…ちょっと…!
アイ兄さんがいきなりキスをしてきた…もしかしてアイ兄さんて…キス魔?そんなことを考えてると十四松が俺も俺も!!と騒ぎだす
十)ねぇねぇ!!アイ兄さん!俺も!!チューーー!!
『じゅうしまつもちゅー!』
十)んん!…ふへへ!うぇーーい!
『うぇーーい!』
一)…アイ兄さん…
『んぁ?なぁにいちまつぅ…?』
一)別に…何でもない…
…嘘だ俺は今…今俺だけを見てほしいって…思ってしまった…
『…んぁぁ…いちまつー』
一)えっ?…何?
『ギューしていいか?』
一)べっ別に聞かなくても…いいんだけど…
『ふへへ…なら…ギュー!』
アイ兄さんの腕が俺の腹に回る…横からズルいぞ!とか聞こえるけど無視だ無視…
アイ兄さんがあったかーいとかお腹プニプニだーとかいってる…プニプニなのほっといてよ…
一)…プニプニで悪かったね…
『きもちーからいいよー…抱き心地がいいやー…』
一)…何それ…
俺がアイ兄さんの顔を見ようと思い振り返ろうとした際に残りの兄弟達が見えた…その目は嫉妬、恨み、戸惑いなど色々ではあるがそれは確実に俺に向けられたもので…まぁ普通兄弟に向けるものではないわな…まぁ普通じゃないだろうけど…
アイ兄さんはこの状況でも呑気にふへへ…と笑っている…チビ太と言えば目を見開き固まっている…
一)…アイ兄さん何か食べる?
『うぅん…お腹すいてない…だから一松のお腹堪能するー…』
一)どういうこと…?
堪能って…プニプニそんなに気に入ったのか…?
ト)プニプニって…普通咎めない…?太ってるってことだよ…?
『おれはこれぐらいダイジョーブ…むしろ好きかも…』
十)…はっ!!アイ兄さんプニプニが好きなの!?カチカチは!?
一)いやどういう質問…?
『かちかち…?さわんなきゃわかんない…』
…答えるんだ…