第18章 暗殺一家
レオリオの呼び掛けを完璧に無視して
ゴンは釣竿を一振り、塀に引っ掻けた。
……ま、まさかこれ登んの???
「ちょ!ゴンそれはやめとけよ!!」
「だっておかしいよ!友達試すなんて。
そんな門からは絶対入んないよ!」
「…おかしいのは認めるが、それ以前にオレは
ゴンが心配だわ」
「どこがさ!!」
「骨折したまんまじゃ壁なんて登れないで
しょうがァァァアアア!!」
《そこかよっ!?》
何かずっこけられた声聞こえたけど…
ま、無視だ、無視。
「いいもん、釣糸があれば何とかなるし!」
「ばっ、おまっ…そんなことしたらなぁ、
あの…何かなるぞ!!」
「何かってなにさ!!」
「だからなぁ!!――――
ギャー ギャー
「ケンカじゃねぇか」
「見苦しいぞゴン、フーガ」
「う~ん…しかたないねェ。ゴン君、鍵を
渡しましょう。これで門からお行きなさい」
「ぅえ!?ま、待って「そのかわり、私もついて
いきます」…へ?」
ゴンと言い合っててあんま聞いてなかったけど
さすがにそれはちょっと…
「もしかしたらミケが私のことを覚えていて
攻撃してこないかもしれません。まあ
ほぼ100%殺されるでしょうが」
「それは悪いよ!ゼブロさんに迷惑はかけられ
ないよ」
「いやいや、キルア坊っちゃんのお友達を
みすみす見殺しにしてしまっては坊っちゃん
に会わせる顔がありません。あなた方が
死ねば私も死にます」
………か、かっけぇぇぇええ!!
なんでこんなにいい人なんだぁァァア!!
隣をみたらゴンも塀から釣り針を外したところ
だった。
「ごめんね。おじさんのこと全然考えて
なかったね」
本っ当素直だなぁ、ゴンは。
クラピカとレオリオも安心してるみたいだし
まぁいっか。
「ゴン君、フーガ君。動物は好きですか?」
「え、うん」
「ネコが特に!!」
「2人とも野山を駆け回っていたでしょう」
「Σスルー!?」
「うん」
「もう一度私が試しの門を開けます。今度は
正面からミケを見てみてください」
ま、まさかのスルー!?とか考えてるうちに
ゼブロさんはもう1回扉を開けてくれた。
…何度見てもすっげー。