第27章 自己中と気違い
カストロはヒソカと暫く話した後、
両手にオーラを集中し始めた。
何か、コォォって言い出した!
すっげえ中二病に見えっぞ!
《虎咬拳…掌を虎の牙や爪に模し、敵を裂く
拳法だ。たしか達人なら大木を真っ二つにする
ことも可能だったっけ》
「へーそんなのあるんだ」
「前に聞いたことがあるだけだけどな。
つーか、こんなときに読むなよ」
「しょーがないだろ。こんだけ近くにいたら
自然と聞こえるんだし」
「いや聞かないようにしろよ」
「へーいす」
気抜いてキルアの声聞かないようにしながら
リングに視線戻すと、またカストロが
ヒソカに向かって行った。
「!」
「え…?」
「あげるよ♥」
ちょ、何やってんだあいつ!?
てか腕を普通あげるっていうもんか?
「余裕か罠。つもりか知らんが…どちらにしても
腕はもらった」
そしてカストロの虎咬拳がヒソカに触れる
瞬間、カストロは消えた。
「こっちのな」
ボッ
「うわ…」
千切れたヒソカの右腕が宙を舞った。
…よく平然としてられるな、普通ショックで
倒れてもおかしくないのに。
これも計算のうち、とか言ってるし。
…あ、あいつ普通じゃねぇわ。
「クックック…なるほど♠キミの能力の正体は
………キミのダブル、だろ♦」
「……流石だな。その通りだ」
え?ダブル?なにそれ?
ズ……ズ、ズズ…
おおおっ、カストロが2人になった!
ダブルって分身できることか!
『な、なんとカストロ選手、消えたと思ったら
増えた!?まさか双子だったとかー!?』
いやいや、それはねーだろ。
けど、カストロがダブって見えたのは錯覚なんか
じゃなかったっつーことだな。
「私は念によってダブルを作り出すことに
成功した。もちろんダブルは消えるまでそこに
実在するもう1人の私だ」
えー…こんなヤツ2人相手するとかウザくて
ハゲるわ(え)
てか、めんどい。
「次は左腕をいただく」
「うーん、そうだなー…♦」
え、まだやんの?
「ちょっとやる気出てきたかな?」
…ちょっ、自分の腕食べんなよ。
気持ち悪くなってきたじゃねーか。