第27章 自己中と気違い
ヒソカ対カストロの試合の、およそ1時間前。
オレ達は会場近くのモニターを見てた。
モニターには今の会場の様子とか、カストロの
インタビュー映像が流れてたりしてる。
《ふーん。どんなゴリラかと思いきや》
ゴリラって…ゴリラがヒソカに向かってっても
秒殺だろ。あ、ゴリラの方がな。
『勝算がないなら戦いませんよ。2年前とは
別人だってことをお見せします』
…んー…スゲェくらい自信満々な"顔"が見える。
つか、これ生放送?あ、昨日の?
過去の映像でも"顔"見えるってどんだけ自信
あるんだよ。
フツー見えねーぞ、映像からなんて。
「キルア、オレこいつみたいなの苦手だ」
「それは同感。いかにも自己中っつー感じな。
まぁ、あんだけ大口叩いてんだ。その自信が
本物かどうか確めてやろーぜ」
「行ってら~」
「ふざけんな」
「え、オレも行くの?」
「あたりめーだ!!」
「いだっ!」
だから殴んなっつーの!!てか、だんだん強く
なってねーか?
そのままキルアにとことこ着いてくこと5分。
ただ今控え室前でっす☆
え?見張ってた人?そんなん一発ですり抜けて
きてやったぜ。
《行くぜ》
はーい、って、オレが読むことわかってたな。
で、キルアがドアノブに手をかけ
「私に何か用かい」
…なくてもよくなった。
カストロがいた。しかもオレ達の後ろに。
オレは反射的に振り向いちゃったけど、キルアは
固まったままだ。
…うお、めっちゃ考えてる。スゲェスピードだな。
「いやぁサインもらおうと思ってさ」
「私の?」
《話し合わせろ》
な、なるほど。こーゆーのうまいなぁキルアは。
つか、あんたのサインなんかいらねーよ!
「それは光栄だな、キルア君。フーガ君、
君にも会えて嬉しいよ」
「「え?」」
「同じ200階クラスのライバルぐらいチェック
してるよ。ゴンって子は一緒じゃないのかい?」
「なーんだ。全部バレバレなんだな」
「有名だからね、君達3人は。…それに私は君に
最も興味があるんだ、フーガ君」
「へ?」