第24章 "燃"じゃなくて"念"
所変わってウイングさんの部屋。
"念"の実演見せてくれたら、花が花瓶に
刺さった。…花瓶に花が挿さったじゃなくて。
アンビリーバボー!
「これが念です。念とは体から溢れ出すオーラ
という生命エネルギーを自在に操る能力の
こと!」
ほうほう?さらにウイングさんの話によると、
この生命エネルギーは誰もが出してるけど
殆どが垂れ流しの状態で、これを留める技を
"纏"って言うらしい。
「"絶"は文字通りオーラを絶つ技術。気配を
消したり極度の疲労を癒すときなどに
効果があります」
で、"練"がいつも以上にオーラを出すって
ことか。
「「「!!」」」
何か…ウイングさんからプレッシャー感じる。
「感じますか?」
「ああ。…圧迫感がある」
「存在感がデカくなったような感じ?」
「でもイヤな感じはしないよね」
「私に害意がないからです」
《それにしても3人の感性の鋭さには驚か
される。おそらく生まれ育った環境もあるが、
本人の資質によるところが大きいのだろう》
「へ~、資質だけじゃなくて環境もちょっと
あるんだ?」
「!な、なぜ…?」
「…あ」
読んじゃったァァァ!しかも口に出してたし!
アホかオレ!!
「ばっ、何やってんだよフーガ!」
「あ、えーと…あはは」
「フーガ顔ひきつってるよ」
だってどーしたらいいかわかんねぇし!!
ウイングさん頼むから話を進めてください。
肩身狭いよう!
「ま、まあいいでしょう。オーラは人間の内部
から発するエネルギー。ゆえにいい意味でも
悪い意味でも人間同士の使用が最も効果的。
邪念を持って無防備の人間を攻撃すれば、
オーラだけで人を殺せます」
って、まさにさっきのオレ達じゃねぇか!!
「念の使い手から身を守る方法は1つだけ。
自分も念の使い手になること。つまり
"纏"による防御のみ」
「目には目を、歯には歯をってヤツか」
「ええ。自らのオーラで相手のオーラを防ぐ。
でないと…」
ふと壁に手を当てたウイングさんが"練"を
やると…
ビシッ!!
ウイングさんを中心に大きなヒビが壁に
入った。
「肉体はコナゴナに破壊されます」