第22章 力試し
ワー ワー
またムサいし煩いな~…。さっきよりは
ちょっとピリピリしてるけど。
『さぁッ、続いての試合は、1階にて僅か1発
の蹴りでKOを奪ったフーガ選手!!
対するのは素早い動きで相手を翻弄する
イリーナ選手!!
今のところ倍率はイリーナ選手の方が優勢!
この試合、一体どんなスピード勝負に
なるのかァァァア!?』
実況さん熱入ってるね…。
オレの前に立つのは長い茶髪を後ろで1つに
まとめた女の人。
「ポイントアンドノックアウト制、一本勝負
です。それでは始め!!」
「…先手もーらい🎵(小声)」
ヒュンッ
「!?」
1階の時と同じで、オレはイリーナの背後に
回って、そのまま蹴りを1発。
客席までは行かなかったけど、それでも
3mぐらいは移動した。
「…ッ、やるわね、ボウヤ」
ボウヤって言うなよ…(怒)
軽くこっちを睨み付けながらイリーナが言った
そのとき――
「!!?」
全身に氷水でもかけられた気持ちだった。
何か、イリーナに近づきたくない感じ。
「あら、どうしたの?来ないならこっちから
行くわよ!」
「っ!!」
ん、案外早ぇぞ!?
まぁまだまだ目で追えるけど。
ガッ
「な!?」
「まだ遅いよ?おねえさん(ニコッ)」
あは、オレ腹黒いな~(笑)
てか、さっきのあの寒気って何だったんだろ?
考えてるうちにいつの間にか10Pとって
オレの勝ちになった。
ちょっと時間かかったケド。