第8章 京谷 賢太郎の妹(ハイキュー!!)

国見たちの方を見た菜々子に衝撃が走った。


「(あのイケメンは誰っ！？)」


どうやら一目惚れをしたらしい。


「わー及川さんだよカッコいいねー」

「本当ー。
朝からラッキーだね」


近くの女子が会話をしているのが聞こえた。


「あのイケメンな人、及川っていうの！？」


思わずその女子たちに話しかける菜々子。


「ひっ！！
京谷さんっ！！」

「お願い！
教えてっ！！」


逃げ出そうとする女子たちを捕まえて頼み込む菜々子。


「あの人は３年の及川さんって言って、男子バレー部の部長でセッターなの」

「へぇー及川さんかぁ………」


必死な菜々子に折れ、女子たちは及川についていろいろ教える。


「男子バレー部のマネージャーとか及川さん目当ての女子が多いから面接式か部員の信頼がないとダメなんだって」

「でも及川さんと同じ空間を過ごすなんて恐れ多くて私達にはできないよねー」


女子たちの会話を聞きながら菜々子はずんずんと国見たちに向かって歩き出す。


「それで？
狂犬ちゃんの妹はどれ？」

「そーゆーのあいつ嫌がるのでやめたげてくださいよ」


国見が面倒くさいという表情全開で及川に言ったときだった。


「及川さんっ！！！
ぜひ私を男子バレー部のマネージャーにしてくださいっ！！！」

「…………なに言ってんの菜々子」

「国見くん！
私、男子バレー部のマネージャーになって及川さんに尽くしたい！！」

キラキラした目で言う菜々子に戸惑う国見。


「ごめんねぇ？
及川さん目的の女の子は入部させたくないんだよねぇ」


と及川が言ったときだった。