第6章 ???の姉《前編》(逆転裁判)
「冥の裁判を引き受けてくれる弁護士はおらず、どうせなら信頼できるお前に頼みたい」
「僕はいいけど………」
「よぉし!
じゃあいっちょやるよ!
ナルホドくん!!
狩魔検事の無罪を証明する証拠を探そう!!」
真宵が意気込む。
「微力ながらお手伝いさせていただきますっ!」
春美が着物の袖をまくりながら言った。
「………私も………。
私も手伝います」
「いや、菜々子ちゃんは明日、裁判だから気持ちだけで充分だよ」
成歩堂がやんわりと断った。
「いえ、手伝わせてください。
明日の裁判の準備なら終わりました。
お願いします」
菜々子はそう言うと頭を深々と下げた。
「いいじゃん!
ナルホドくん!
人数は多いほうが証拠も見つかるかもしれないじゃん」
「そうですよ!
みんなで証拠を見つけましょう!!」
「しょうがないなー。
じゃあ、菜々子ちゃんは春美ちゃんと一緒に先に現場を調べてて。
僕らは狩魔検事のとこへ行ってみるから」
真宵と春美の口添えに折れる成歩堂。
そして、成歩堂と真宵は狩魔検事が拘留されている留置場へ。
菜々子と春美は事件の現場となった検事局へ。
「菜々子くん、春美くん。
私も今から検事局へ戻る。
よければ私の車に乗らないか?」
「どうしますか?
菜々子さん」
「せっかくだし、お言葉に甘えようか」
菜々子と春美は御剣と一緒に御剣の真っ赤な車に乗り込む。
「………菜々子くん。
君にずっと聞きたかったことがある。」
「なんですか?」
「失礼だが、君の苗字を教えてほしい」
御剣の質問に菜々子はじっと御剣の顔を見た。