第6章 ???の姉《前編》(逆転裁判)
「成歩堂はいるかっ!!??」
急に事務所に入ってきたのは成歩堂のライバルであり、親友の御剣 怜侍だった。
「こんにちは御剣検事」
「ウム。
菜々子くん、成歩堂はどこに?」
「成歩堂さんならトイレの掃除を……」
菜々子が言いかけたときだった。
「菜々子ちゃーん!
新しい石鹸どこにやったっけ?
って真宵ちゃんに春美ちゃんに御剣までどうしたんだい?」
成歩堂事務所の所長、成歩堂 龍一が事務所の奥から表れた。
「私たちは遊びに来ただけだよ」
「御剣検事はどうされたんですか?」
上から真宵、春美の順番で喋る。
「ムッ。
実は成歩堂、お前に頼みたいことがある」
「なんだ?」
「冥が殺人事件の容疑者になった。
その弁護を頼みたい」
「「「ええっ!!?」」」
御剣の言葉に驚く成歩堂、真宵、春美の3人。
「狩魔検事が容疑者ってどうことだい?」
「……冥の検事室で男の死体が発見された。
死因は窒息死。
そして、その男の首には冥の鞭が絡まっていた」
成歩堂の質問に丁寧に答える御剣。
「まさか………凶器が……」
「そうなのだ。
凶器が冥の鞭なのだ」
「もしかして、凶器のせいで容疑者なんですか?」
菜々子が聞いた。
「いや、第1発見者が死体の側にいる冥を見ていてな」
「…………」
御剣の言葉に顎に手をあて何やら考えこむ菜々子。
「でも御剣検事、いいんですか?
捜査情報をペラペラ喋っちゃって」
真宵がいたずらっ子のような表情で御剣に聞いた。
「ムッ。
本当はいけないが、冥が無実だと私は信じているからな。
冥が無実になるためなら協力は惜しまない」
御剣は腕を組ながら言った。