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うちの◯◯がお世話になってます

第19章 影浦 雅人の姉(ワールドトリガー)




「はぁー………」


菜々子の姿が完全に見えなくなってから村上は小さくため息をついた。


(いつもの事だけど緊張するな………。
菜々子さんに嘘がバレてないといいけど…………)


村上の嘘とは。
実は彼は強化睡眠記憶というサイドエフェクトを持っており、そのおかげで大抵の事は学習して出来るようになる。
なのでお好み焼きも今では綺麗に自分で焼ける。


何故、菜々子にそんな嘘をついたのか?
それは村上が菜々子に片想いをしており、好きな人の作った料理が食べたいという願望からだ。


(カゲや荒船達に見られたら笑いながら揶揄われそうだな………)


自分と同じ年齢のボーダー隊員達の顔を思い浮かべながら村上はあいつらにもバレないようにしないと…………と決意した。


「ん?
鋼か?」


自分の背後から聞こえてきた聞き覚えのある声に村上は恐る恐る振り返った。


「あ、荒船………」

「なんだ。
お前もかげうら来るんだったら言ってくれよ。
一緒に行けたのによ。
ここいいか?」

「う、うん………」


荒船は村上の向かい側の席へと座る。


(どうしよう…………)


村上が内心、焦っていると菜々子が村上の海鮮ミックス玉を持ってこちらにやって来る。


「村上君〜。
海鮮ミックス玉お待たせしました。
あれ?
荒船君だ。
いらっしゃーい」

「ども」

「注文決まったら教えてね」

「今、豚玉と牛玉で迷ってます」

「今日はお肉の気分なんだね〜」


菜々子は荒船と会話をしながら村上のお好み焼きを焼こうとテキパキと準備をしていく。


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