第17章 加古 望の妹(ワールドトリガー)
もっと二宮達の様子を見たかったが、窓際に座っていたお客さんが覗き込んでくる出水達を気味悪がってしまいブラインドを下ろしてしまった。
「今度2人のどっちかに会ったら聞いてみようぜ」
「そうだなー」
おバカな2人はそれが逆欄に触れるとは気付いていなかった。
もし、ここに米屋の隊長である三輪 秀次がいたら結果は違うものになっていたが、残念ながら不在だったのであの騒動が起きてしまった………………。
「あー加古さんだ。
珍しいっすねランク戦のとこにいるの」
出水と米屋が二宮達のデートを目撃して数日たったある日のこと。
いつものようにランク戦をしようとロビーに来た出水と米屋は加古を見つけて声をかけた。
「私だってランク戦するわよ。
まぁ太刀川くんほどじゃないけどね」
珍しいと言われて加古は笑いながら言った。
「そういえば加古さん!
俺達見たんっすよ!
二宮さんとデートしてるとこ!」
「そうですよ!
もー付き合ってるなら付き合ってるって言ってくださいよー。
茶化したりしないんで!」
「……………ごめんない。
誰と誰が付き合っててデートしていたって?」
加古はニコニコ笑っているが何故か加古の背後に般若のようなものが見えた気がしたと後に目撃者は語った。
「誤魔化さなくていいですよ!
俺達見ましたもん!
二宮さんと加古さんがデートしてるところ!
二宮さんの加古さんを見つめる目を見たらすぐわかりましたよ!
あ、この2人付き合ってるって!!」
加古の様子に気がつかない米屋がどこのおばちゃんかと言うような手の動きをしながら言った。