第16章 及川 徹の姉(ハイキュー‼︎)
「あー……………なんでもない。
ちょっと考え事してただけ」
菜々子は少し悩んだのちそう答えた。
そんな菜々子を見て徹は何か言おうと口を開いたが、
「そうだ!
気分転換に散歩でも行こうかなー。
徹、何か買ってきて欲しいものある?」
徹に何も言わせないように菜々子は口早に言った。
そんな菜々子に徹は眉をひそめ、溜息をついた。
「別に話したくないならそれでいいけど…………。
散歩から帰ってきても暗かったら無理やり聞くからね!」
徹はそう言うとビシッと右手の人差し指で菜々子に向かって指をさした。
「はいはい肝に銘じておきますよー」
菜々子は徹にひらひらと手を振りながら玄関へ向かう。
「あ、ついでにテーピング買ってきて欲しいんだけど」
「わかった。
どの種類のテーピングか分からないから後でスマホに写真送って。
じゃあいってきまーす」
「はいはい。
いってらっしゃーい」
徹に見送られながら菜々子は家を出た。
(はぁぁぁー。
散歩に出ただけでこの悩みが解決したらいいんだけどねぇ)
菜々子はそう思いながら歩き始めた。
「えーと…………テーピング、テーピング………」
スポーツ用品店についた菜々子はスマホで徹から送られてきた写真を見ながらテーピングを探していた。
「あ、あったあった」
ようやく見つけた商品は最後の1個だった。
菜々子は商品を取ろうと手を伸ばすと菜々子の反対側からも手が伸びてきて、手がぶつかった。
「あっすみません!」
菜々子は慌てて手を引っ込めて謝る。