第15章 忍田 真史の妹(ワールドトリガー)
菜々子は太刀川を探しにランク戦が行われているロビーへやって来た。
「菜々子さん?
お久しぶりです。
何故ここに?」
菜々子に話しかけてきたのはA級3位風間隊の隊長、風間 蒼也だった。
「あぁ、風間くん。
久しぶり。
慶を探してるんだけど。
見かけた?」
「いえ、今日はまだ見かけてません」
風間と話をしていて菜々子はふと先ほど迅に言われた言葉を思い出す。
結婚相手は既に出会っていて歳下
風間は菜々子の4歳歳下。
真面目で努力家な風間は菜々子的には好感が持てる。
まさか風間が未来の結婚相手か?
と自分に問いかけると何故だか自分でもよく分からないが、風間ではないような気がする。
そんな事を風間と会話しながら思っていた時だった。
「菜々子っ!!」
太刀川が菜々子の肩を後ろから掴み、菜々子と風間の距離をあける。
突然の太刀川の行動に菜々子と風間は太刀川を不審な目で見つめる。
「なんで風間さんと楽しそうにお喋りしてんだよ!
俺を探してたんじゃないのか!?」
太刀川は何故かキレ気味で菜々子を問い詰める。
「はぁ?
なんでそんな事でアンタにキレられなきゃいけないのよ」
菜々子も突然太刀川にキレた口調で言われてムッとする。
「だいたい、私がどこで誰と何していようがアンタには関係ないでしょ!」
「関係あるっ!!」
菜々子の言葉に間髪入れず叫んだ太刀川。
「へぇ。
どう関係あるの?
ぜひ聞かせて欲しいわ」
菜々子にそう言われて自分が何を言ったのか気づく太刀川。