第14章 高杉 晋助の妹(銀魂)
「おーいたいた団長って大丈夫かァ?」
阿伏兎がやってきて座り込んでいる神威に話しかけた。
「阿伏兎、やっぱりこの子が高杉の妹だったよ」
「そうかい。
見つかってよかったな」
「でも子作りしようって言ったら殴られた」
「それは当たり前だバカヤロー!」
神威と阿伏兎がそんな会話をしている間、菜々子は木刀を拾いに行く。
「すまねェな………。
うちの団長が迷惑をかけた」
阿伏兎が菜々子に謝る。
「あーいえ。
あなたが謝ることでは………」
菜々子は阿伏兎に謝られて気まずいのか、そっぽを向く。
「そういえば、店の方は裏口以外は戸締りしてきたぜ」
「えっ!?
すみません!
ありがとうございます!!」
阿伏兎の言葉に菜々子は驚き、頭を深々と下げる。
「一応、ドアのプレートも準備中に変えてきたが、泥棒が入るといけねェから早く戻った方がいいと思うぞ」
「はい、すぐ戻ります」
菜々子はお店へ走り出そうとしたが、すぐに足を止めた。
すると、向きを変えて神威の方へズカズカと歩き出す。
「あの、まだご飯食べますか?」
菜々子は視線を泳がせながら神威に聞いた。
「アンタがいいって言うなら食べるよ」
「……………アンタじゃなくて菜々子。
高杉 菜々子。
あなたは?」
「神威」
「………じゃあ神威、料理作って待ってるから」
菜々子はそう言うとその場から走って逃げる。
「ほー。
何だかんだで脈がありそうじゃねェの。
良かったなァ団長」
阿伏兎がニヤニヤしながら自分の顎を右手で触る。