第11章 土方 十四朗の妹2(銀魂)
そしてデート当日。
菜々子はこの日の為に新しく買った水色の着物を着て、万事屋へと向かう。
「こちら沖田、菜々子が3日前、着物屋で水色かオレンジ色かで迷った末、水色の方を買った………その時の着物で出てきました。
どーぞ」
沖田は茂みに隠れて無線で連絡をする。
『なんで3日前に買ったって知ってるんだ。
どーぞ』
沖田の無線から土方の呆れたような声が聞こえた。
「その買い物に影ながら見てたからでさァ。
ちなみにオレンジ色の着物もなかなか似合ってましたぜィ。
どーぞ」
真顔でそう言った沖田。
この無線の内容を聞いていた隊士達はストーカー?
と思っていた。
「あ、菜々子が万事屋につきやした。
インターホンを押してまさァ。
それにしても普通、デートは待ち合わせなんじゃないですかィ?
いきなり家に呼び出しやすか?
あわよくば家に連れ込んでナニをしようとしていやせんか?」
沖田が手に持っている無線がミシミシと鳴る。
怒りで無線を握りしめたようだ。
『そうなったら遠慮なく、斬り込みに行ってこい。
副長命令だ』
「あざーす」
土方の許可にお礼を言う沖田。
そして、後をつけられていると知らない菜々子。
「お待たせー。
時間ピッタリに来たな」
「待たせても悪いですし、早く行きすぎてもご迷惑かかるかなと思いまして」
銀時の登場に、嬉しそうに笑う菜々子。
「んじゃ行くか。
ほい」
銀時はそう言うと菜々子にヘルメットを渡す。
そして2人は階段を降りて、銀時のスクーターへ向かう。
「ヘルメット、キツくないか?」
「はい!
大丈夫です!」
「しっかり捕まってろよ」
「はい!」
2人はスクーターに乗って走り出した。