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うちの◯◯がお世話になってます

第10章 真田弦一郎の姉(テニスの王子様)




(なんだよコイツ………。
幸村部長に差入れを渡すって事は告白するってことなのに何で俺経由で渡そうと………。

…………そうか!
自分で渡すと断られるから俺経由で渡そうとしてるんだ!!)


そう思った瞬間、切原は怒りが込み上げてきた。


(みんな勇気を振り絞って自分自身で幸村部長に渡そうとしてるのにコイツは……!!)


次々と込み上がってくる怒り。
やがて抑えきれなくなり、切原の感情は爆発した。


「あんた、幸村部長に差入れって意味分かってやってんのか!?」


そう言って切原は女の子の手を差し出していた紙袋ごと払う。

突然、払われたため、女の子は紙袋から手を離してしまい、紙袋はグシャリと音を立てて地面に落下した。


「あっ……」


女の子のどうしようという表情を見てますます怒りが込み上げてくら切原。


「いいか、よく聞けよ!
幸村部長は好きな女の子からしか差入れを受け取らねぇんだよ!!
直接、部長に渡す勇気もないやつが差入れ何か持ってくんな!!

すげぇ腹立つからよ!!」


そう言って切原は落ちた紙袋をワザと踏みつける。


「これに懲りたら人の手を借りないことだな。
まぁあんたに渡せる勇気なんかないだろうけど」


切原はそう言うとテニスコートへ向かって歩き始める。
さすがにやり過ぎたかなと思ってチラリと女の子の後ろ姿を見ると肩が震えていた。
恐らく泣いているのであろう。


(さすがに踏みつけたのはやり過ぎたかもしれねぇけどやっぱり人を利用する魂胆がムカつくからいいんだ)


そう切原は自分に言い聞かせた。


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