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うちの◯◯がお世話になってます

第10章 真田弦一郎の姉(テニスの王子様)




そんな会話を3人がしてから数週間がたった学校が休みのある日の部活中の事だった。


「幸村、話があるんだが」


幸村に話かけたのは男子硬式テニス部の副部長の真田 弦一郎だった。


「なんだい?」

「実は姉さんが今日、差入れを持ってくると言っていた」

「それは本当かい?」

「あぁ。
昨晩、一生懸命なんとかケーキを焼いていたぞ」


と幸村と真田が会話しているのを聞いていた切原。


(仁王先輩たちがあんな事を言うから心なしか幸村部長が凄く喜んで見えるような………)


切原はそんな事を思いながら2人(主に幸村)を見ていた。


「あ、赤也、危ねぇ!」


と丸井が言った瞬間、切原の頭に衝撃が来た。


「いってぇぇぇ!!」


どうやら丸井とラリーをしている最中に切原がよそ見をしたせいで丸井が打った球が切原の頭に当たったようだ。


「練習中によそ見してボールに当たるとはたるんどる!!
外周行って頭を冷やしてこい!!」

「真田副部長ーそんなぁ……」


真田に言い渡されたペナルティにショボくれる切原。
ちらりと切原は幸村を見るが、真田の姉が差入れを持ってくることがよほど嬉しいのかこちらの出来事に眼中ないようだ。


「んじゃぁ外周行って来るっす……」


嫌々ながらも切原は外周を走る為に校門へ向かった。


これからさらなる悲劇が彼の身に降りかかることも知らずに。












「おーし!
外周、終了ー!!」


切原は真田に言われた外周も走り終わり、いそいそとテニスコートへ戻ろうとした時だった。


「あの、すみません。
硬式テニス部の方ですか?」


切原が声がした方を見るとおそらく小学生ぐらいの女の子がいた。
女の子の髪は癖毛の切原から見ると羨ましくなるぐらいの黒髪のストレートで長さが腰ぐらいまであった。


「そーッスけど。
なにか?」

「ちょうど良かった!
実はこれ、差入れで幸村君に渡してください」


女の子はそう言うと笑顔で切原に紙袋を差し出してきた。


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