第18章 中忍試験二次試験〜死闘〜
リーは包帯の男を捉え、地を蹴り懐につめた。
対してザクは一直線にリエに迫る。
体術がぶつかり合い、ガッと二人が近接した。
「見た目にそぐわぬ体術使いか?こりゃまともに入ったらいてーだろうなぁ」
その口調は明らかにリエの力を馬鹿にしており、その顔からは余裕が消えない。
繰り出した拳は嘲笑うように寸前で回避され、受ける反撃は嬲るようにわざと急所を外して痛めつけられる。
((私が皆を守らないと…いけないのに…!))
力が出ない。
今の実力も彼に劣っているのだろうが、それだけではない。
大蛇丸との戦いの傷跡が、この戦いに響いていた。
まともに眠っていないせいか、頭も上手く回らない。
この状態のまま接近戦の体術で対峙するのには無理があった。
ならば、と、クナイや手裏剣で応戦するも、ザクの手から爆風が発せられ、それらが全て跳ね返ってきた。
防ぎきれず、その刃物がリエの腕や足、衣を斬りつける。
ザクは衣の裂け目から露わになった腹や太腿を見て舌なめずりをした。
「へっ!色っぽい格好になったじゃねーか」
恥辱を受け、リエは唇を噛み締め彼を睨み付ける。
それがザクの勘に障ったのだろう。
彼は片眉を吊り上げ、更にリエを煽った。
「雑魚が生意気にまだそんな目してんのか。もっと恥ずかしい格好にでもなっとくか?あ!?」
ザクはニタリと笑うと、己の風を操り、なおもリエを傷つける。
それは彼女の衣類をも切り刻み、非情にもリエの肌を露出させた。