第17章 中忍試験二次試験〜死の森〜
「火遁・鳳仙花の術!」
サスケが火遁をしかける。
だが、相手もそれなりの実力者だ。
サスケの攻撃を回避すると体を捻り、宙から突進してきた。
しかしサスケも先読みしたようにクナイを手に、いち早く斬りかかる。
クナイが弾かれる鉄の音が辺りに響く。
反動をうまく使い、男は後退した。
その後をサスケが追い、リエもサスケの後から追いかけた。
ここで逃がせば、また近いうちに襲撃を受けることだろう。
危険が増すことは避けたい状況だ。
男の逃走経路そのままに木々の枝を蹴れば、眼前にのたうつナルトを発見した。
その姿は滑稽にも縄でグルグル巻き状態で、うねうねと芋虫のように足掻いている。
「ナルトくん!」
リエはその場からクナイを投げ彼に巻きつけられた縄を切った。
彼を助けようと意識がそちらに集中した、そのとき。
「ほら、隙が出来たぁ!ラッキー!!」
サスケに追われていたはずの男はその状況下でもリエに出来た隙を見逃さず、数本の小刀とクナイを彼女目掛けて放った。
「リエっ!」
サスケは必死にリエの体を引き寄せ、共に太めの枝に身を隠した。
リエの体に突き刺さるはずだったそれらは、鈍い音を立てて幹にうたれる。
しかし安心も束の間。
そのクナイの中に一本、起爆札を仕掛けたものがあったのだ。
爆音と共に樹木の幹が破裂した。
「くっ!!」
「きゃぁぁっ!!」
二人はそれをギリギリで避けるも、砕かれた足場と爆風のせいで体のバランスを取れず吹き飛ばされてしまった。
その隙に、男がリエの首にクナイを宛がい、叫ぶ。
「これぞラッキー!動くと殺す!大人しく巻物を渡せ!!」
「くっ……リエ!!」
最愛の彼女を盾にとられては、サスケは迂闊に動けない。
しかしこのまま何もしないわけにもいかない。
どうすればーーー