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連れ立って歩く 其のニ 砂編 ー干柿鬼鮫ー

第13章 砂の若い衆、木の葉の若い衆、はぐれ若い衆、時々長老


出来る事をやらずにすます男ではないカンクロウは、路地裏で妙なモノを見た。

物陰から様子を伺う三人と、物陰から様子を伺われる三人。

"・・・何コレ?コント?まるでコントじゃん。何だアイツら、欽ちゃんファミリー?ぅうわ、古いよ、古くて反って新しい感じになっちゃってんじゃん。斬新。おいおい、今そんなんキテたっけ?いや、キテねぇし。キテねえよな?"

物陰から様子を伺う三人と、様子を伺われる三人を唖然と見守るこちらも三人。

"え?しかしマジ何なのコレ、笑うとこ?そういう神が降りて来てる訳?ここ笑っとかないといけない感じ?俺お笑いはシンプルなのが好きなんだけど、すっごい考えた挙げ句ここって笑うとこ?え、ちょっとだったら誰か先に笑ってくんねえかな。俺の背中を押してプリーズ"

どこから突っ込むべきか読めない状況を扱いかねて、出来る事なら関わらずにすませたい男へとシフトチェンジしそうになったカンクロウは、様子を伺われる三人の中に牡蠣殻の姿を認めて顔をしかめた。

"チキショウ、めっちゃヤなビンゴじゃん。何やっちゃってんのッ、あの貝殻さんは、もう!"

「・・・ッ」

そんな状態のカンクロウの肩を誰かが叩いた。

「・・・・・!」

連れてきた二人の部下の仕業かと声を殺して振り向いたカンクロウは、ギョッとして後ろに退がった。声を出さなかった自分を褒めてやりたい。

「よ、何してんの?覗きの覗き?コアな事してんな、ジャンジャン」

「何コレ。惑星直列みてえなって覗きが成立しちゃってるぞ。うん?」

一応声を殺している。気遣いのつもりか。だったら肩なんか叩くもんじゃない。

カンクロウは喚きたいのをぐっと堪えて、デイダラと藻裾を睨み付けた。その後ろで腕組みして鬱蒼と立つ緑の目が怖い男は、こちらに無関心そうなので不問に処す。デイダラと同じ装束を纏っているところを見れば暁なのだろうが、順番を待って貰わなければもう突っ込みが追い付かない。

これも三人だ。
カンクロウは、思わず噴きそうになってグッと唇を噛み締めた。

「テメエら何してんだ、また湧いて出やがっていい加減にしろじゃん」

破裂音と摩擦音を殺してヒソヒソ言うと、デイダラが肩をすくめた。

「コイツは湧いて出んのは下手クソだぞ。うん。厠なんかに出て来んだぞ?湧き上手はアンタんとこで取っ捕まえてる牡蠣殻」
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