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連れ立って歩く 其のニ 砂編 ー干柿鬼鮫ー

第11章 藻裾、降臨 ーin厠ー


「喧嘩売ってンのか、こら?買うぞ、うん?」

「金持ち喧嘩せずって言うだろ。アタシャ今金持ちだかんね。喧嘩なんか売りませぇん。残念!」

「売ってんじゃねえか。買って下さいとばかりに投げ売りしてんじゃねえか、うん?あったま来んな、お年玉貰い過ぎてビル・ゲイツ気取りのガキ並みに頭来るぞ、うん」

「ヤハ~、流石にビル・ゲイツはねェですって。照れちゃうなあ、もう」

「話を聞けよ。何だテメエ、案外角都と話合っちゃう系か?うん?」

「何だカクズって。角煮とならとことん話し合う準備があるぞ、こっちは。腹減った」

「・・・・よお、何で鬼鮫なんだよ?また牡蠣殻絡みか?何かあったのか?」

「何かはあンだろうけどハッキリわかんねェの。ハッキリするまで待って手を出せなくなっとヤだから、先手を打ちてェって話ですよ」

「サッパリわかんねェぞ、うん?」

「アタシだってハッキリしねぇんだから仕様がねえスよ。兎に角牡蠣殻さんを取っ捕まえたいワケ」

「・・・砂にいんだろ、牡蠣殻」

「お?何でオメエが知ってんだ?」

藻裾はヒョッと首を伸ばして栗鼠みたような目を見張った。

「話せば長くなんだよ。まあ、牡蠣殻が砂にいんのは、暁にも関わりがなくもねェ・・・てか、うちの守銭奴が暴走しちまってよ。あー・・・いや、オイラ別に悪かねえけど、何か、悪かったな、うん」

「あん?サッパリわかんねェぞ、うん?」

「・・・・何で丸パクで返すンだよ。うん?人の真似すんな、ムカつくな、おい」

ここでドザーと水の流れる音がして、ペインがふらりと現れた。

二人はピタリと話を止めて、じっとペインを見詰めた。

「お勤めお疲れ様です。お帰りなせえやし、ポツポツのアニサン」

「出るモンは出たのか?今日のオイラは今のリーダーの気持ちがよくわかるぞ、うん。やっぱ寝冷えなのか?寝冷えなんだろ、うん?」

ペインは力なく二人を見返して、腹を押さえていた手をだらりと垂らした。

「・・・・言いたい事は山のようにあるが、先ずは広間に行って今居るメンバーを集めておけ。俺は小南を呼んで来る・・・」

デイダラに言い渡してから、ペインは藻裾を見た。

「お前は何だ?何で暁の厠にアッサリ侵入している?何者だ?」

藻裾は首を傾げた。

「ちょっと前までは磯の者だったんスけどね。今は、さあ、何でしょうね?」
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