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連れ立って歩く 其のニ 砂編 ー干柿鬼鮫ー

第5章 輸血


「フン、モノは言い様じゃなじゃん」

「・・・・まだ言うか・・・」

「ぎゃははは、まあ、警備を担うお前にはこの先ちっと世話をかけるかも知れん。こやつを覚えておいて悪い事はないじゃろう」

チヨ婆は人の悪い顔をカンクロウに向けて、含みのある言い方をした。

「世話?血ィ分けてやったじゃん。これ以上世話する義理はねえじゃん。俺は駄目だよ。腰引けてっからね?我愛羅に頼みゃいいじゃん」

「まあそう言うな。血を分けてやったんじゃ、もう他人とも思えんじゃろ?」

「全然?」

「何じゃ、ノリが悪いの。年寄りか、お前は」

「何で俺がそんな事言われなきゃない訳?よりによってばあ様達に?何かおかしくない?」

「まぁまぁ、兎に角、助かったぞ、カンクロウ。お陰で牡蠣殻も一息つけたわ。後で本人からも礼を言わせるでの」

「いや、いいから。そんなん要らないから。俺もう行くから。ちゃんと後で説明してくれよ?我愛羅もテマリもおさまんねえからな」

深水と、殊に杏可也を見ながら、カンクロウは念を押した。杏可也が気付いて微笑を向けて来る。
カンクロウは苦笑を返して肩をすくめた。

「・・・叔母さんの顔が見れたら我愛羅が喜ぶじゃん。早いとこ良くなりゃいいな、ソイツ」
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