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連れ立って歩く 其のニ 砂編 ー干柿鬼鮫ー

第2章 相談役の相談係


藻裾は自分の目線に気付いていない。

「下手打ったら今度こそ磯は消えるな。・・・牡蠣殻さんが波平様についてってくれたら良かったのに」

「そんな使えんのか、あの牡蠣殻さんは。意外だな」

「甘く見んな、無理もねえけど」

藻裾は可笑しそうに言ってカマルをジロリと睨んだが、すぐ力なく目を反らして溜め息をついた。

「使えるだの使えねえだの、そういう事別にしてもよ。ついてって欲しかったな。まあ、あの人も色々メンドくせぇ身の上だから思うところがあったんだろうけどよ」

藻裾の腹が鳴った。

「ム。マズいよ奈良くん。燃料切れの予告だ。早ェとこチャージしねえと、君を食いかねねェですよ、アタシは。さ、飯、飯」

「・・・しょーがねぇな・・オメエはよ。何かいっつも腹空かしてねえか?燃費悪すぎだろ?マジでメンドくせぇ」

頭を掻きながら立ち上がったシカマルは、名簿にもう一度目を走らせた。

荒浜海士仁。

真っ先に話題に上りそうなものなのに、藻裾が自分からは触れないこの名前。

まあ、出てったヤツの事だ。木の葉にゃ関係はねえけどな・・・

シカマルは藻裾の跡を追って歩きながら僅かに眉をしかめた。

引っ掛かる。どういうヤツだ、あの三人目・・・・

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