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(R18) Moulin Rouge (HQ)

第11章 xxx 10.指名予約



「こーたろーくんん」
「なあーにー」
「おにぎり買ってきてー」
「やーだよー」

 恒例となりつつあるスタッフルームでの夜食タイム。
 堅治とのプレイで体力を使い果たした私の問いかけに、光太郎が気のない返事をした。

 カウンターにいる彼は現在、レジに貯まった札束を数えるのにご執心だ。さっきから何回も勘定を間違えてやり直している。

「ええー光太郎のケチー」

「この俺をパシろうなんてなあ、一億と二千万年早えんだよ」

「うわあ……有りがちな返し」

 薄いカーテンを越えた会話。
 ゴゥン……と低く呻いた暖房が、埃っぽく渇いた風で私たちの頬を撫でた。

「合体する?」
「絶対しない」

「きもちいいィ〜!ってさ」
「しないってば。しつこい」

 今日も今日とて至極どうでもいい会話に花を咲かせていると、そこへ、一本の電話が鳴り響く。

 客電用に置かれたそれ。
 予約申込みの電話が掛かってくる場合がほとんどだから、光太郎はここぞとばかりに人懐こい声で応じる。

「お電話ありがとうございます! ピンクオウル一番街店の木兎が承……って、なんだ、……京治くんじゃん」

 彼の名前が、聞こえた。















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