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(R18) Moulin Rouge (HQ)

第10章 xxx 09.彼氏(仮)



「え……ちょ、黒尾、サン……?」

 彼は強引に私の肩を抱いて、岩泉さん達に背を向けて歩きだす。

 研磨も何も言わずに私の隣を歩き、再び視線をスマホに戻した。

 うちの店の前に置かれた大型バイク。
 あのバイクは黒尾の私物であって──さっきあれに跨ってたし、さらにヘルメットがふたつ用意されてる。どう考えても研磨を実家に送り届けるためだ。

 それが、なぜ、三人で駅に向かっているのでしょうか。

「待てよカオリ!話聞いてくれ!」

 背中のほうで岩泉さんの声がする。

 その声に私よりも早く振り向いた黒尾は、ニヤリ、悪どい笑みを浮かべて──





「あー……悪いんだけど、もうカオリに関わるのやめてくんない? こいつ、俺のなんで」





「は!!?」

 研磨と私が同時に、凍りついた。










xxx 09.彼氏(仮)___fin.
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