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(R18) Moulin Rouge (HQ)

第10章 xxx 09.彼氏(仮)



「ねえカオリ」

「……ん、なあに?」

「キスしよっか」

 子ども同士がその意味も知らずにするような、キス。唇と唇を合わせただけの温もりだった。

 研磨のキスはお花のような味がして、瞑っていた目を開けたとき、それが彼のリップグロスの匂いなのだと知る。

 穏やかな鼓動の上昇。
 そっと私を押し倒した研磨が、ふと、目元を細めて囁いた。

「キスの先も、……していい?」

 返事をする代わりに腕を伸ばして、彼を抱き寄せる。全身で感じる研磨は、彼の言うとおり、とても温かかった。

「……っん、くすぐったい」

 子猫が飼い主にじゃれるような研磨の愛撫。熱い舌先がペロ、と全身を巡って、最後に唇に戻ってくる。

「俺はきもちよくなって欲しいのに」

 研磨がむう、とむくれた。
 彼はちょっと眉に皺を寄せて、それから、私の背中の下に手を滑りこませる。

「くすぐったいのは、もうおわり」

 ブラのホックが外されるのと同時に聞こえたのは、彼の、初めて聞く男っぽい声だった。

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