第5章 【裏】甘い罰　～片倉小十郎～

　小十郎様の深い口付けに翻弄されて、気づけば帯はすっかり解かれていて。
　襟元も大きくはだけ、着物はかろうじて肩に引っかかっている状態だった。
　熱に染まる肌に小十郎様の唇が落とされていく。

「こじゅ、ろうさま…」
　上擦った声でその名を呼べば、穏やかな微笑みを向けられる。

「罰なのに、期待しているみたいだな」
「んっ」
　ちょん、と指先で胸の頂きを突かれて私は息を呑んだ。

「脱げかけの方が色っぽくていいが…皺になると困るか」
　小十郎様は少し残念そうにそう言って、私のただ腕が通っているだけの着物を取り去り脇によけて、自らの着物もあっという間に脱いでしまった。
「あ…」
　引き締まった逞しい体に抱き寄せられる。
　小十郎様の肌に頬を寄せると、なんとも言えない幸せな気持ちが私を満たしていく。

「小十郎様……」
「ん？」
「――好き、です」
　改まって言うのは少し恥ずかしくて、一瞬迷ったけれど。
　溢れる愛しさを伝えたかった。

「――お前は本当に可愛いな」
　食べてしまいたいくらい――その言葉通り、小十郎様は私の体のあちこちをぱくりと噛む。
　指や腕、肩、太ももに、歯の当たる感触がこそばゆかった。
「あっ」
　先ほど少し突かれただけだった胸の尖りにも歯が触れたかと思えば、舌先でちろちろと弄ばれる。
　小十郎様の筋張った手が背中を撫で下ろし、お尻に触れた。
　すすす、と割れ目をなぞり、そのまま小十郎様の指はじんわりと濡れ始めた秘部へと伸びた。

「んんっ…ふっ…」
　ぬるぬると小十郎様の指が動いて、秘部を優しく擦られる。
　乳首はいまだ唇と舌先で愛撫され続けていて、私は淫靡な行為にただ体を震わせるしかなかった。


「…こっちは触ってないのに、すっかり硬くなってる」
「あぁっ！」
　何も刺激を受けていなかった方の乳首をきゅっと摘みあげられてびくりと腰がはねる。
「かちかちだ」
　耳元で囁かれて、私は顔どころか体中が真っ赤に染まったような気がした。
「それから…ここも」
「ひゃんっ」
　コリコリと肉芽を刺激されて、私はまた声を上げた。