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先生にとって私はまだ生徒ですか?

第1章 中学2年生


それから毎週、先生の授業は1時間も延長していた。生徒たちは文句たらたら。授業中はそんな思いを隠しているものの、授業前後は文句ばっかり。

女子「丁寧なのはいいんだけどさぁ…。長すぎだよね。」
美奈実「仕方ないじゃん。先生もあれだけ詳しく解説しないと気が済まないんだよ。雑な先生よりましじゃん。」
女子「それでも1時間はないよ。どうしよう、後期のクラス変更しようかな。」

わかるけど。気持ちは。でも1時間延長した後に毎回30分は質問している私には何も言えない。それに最上位クラスじゃないけど諏訪本先生のことは気に入ってるから、後期もこのクラスをとろうと思っている。

今日はクラス分けの校内模試が返却される日。先生から一人ずつ教室の外に呼び出されて答案返却される。そのときに先生からのコメントももらうのだ。

智也「西園寺さん。」

ついに呼び出された。先生に毎回あれだけ質問したんだから、いい点数がとれてますように。

智也「非常によく出来てました。頑張ったね。このクラスでは1番だよ。多分全体でも上位30番以内に入ってると思う。」
美奈実「本当ですか!やった!!でも私は先生の授業が好きなので上のクラスには行かずに先生のクラスに残ろうと思ってるんです。」
智也「そっか。…授業後ちょっと話をしようか。」
美奈実「…?わかりました。多分今日もまたたくさん質問すると思いますし。」

ふざけていうと、先生は「おいおい」みたいな表情をした。

智也「質問してきてもほぼ毎回あってるやん!もう少し自信持って大丈夫やで?」
美奈実「学問においては謙虚な姿勢が大事ですから。」

ドヤ顔で言ったら苦笑された。萎えー。
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