第1章 中学2年生
智也「ところでさ、西園寺さんはいつから英語勉強してたの?発音すごく綺麗だったよ。」
美奈実「ありがとうございます。えっと、3歳のときからですね。でもイギリス英語を最初に習ってからアメリカ英語を習ったので、ときたま発音が混ざるんです。自覚できてないんですけどね。」
智也「でも気にするほど混ざってはいないから大丈夫。ただちょっと面白かったけどね。」
美奈実「そんなに目立たないなら良いんですけど…。でも先生もよく気がつかれましたね。今まで習った日本人の先生の中で、混ざってると指摘されたのは先生が初めてです。」
智也「そうなんや。僕は高校までアメリカ英語習ってたけど、今意識的にイギリス英語の発音にしようと思ってるから気付いただけだと思うよ。」
美奈実「へぇ、珍しい!イギリス英語の方がかっこいいですか??」
智也「うん。なんか格式がある感じがするね。まぁあくまで僕の感想だけど。」
美奈実「そうですか…。そういえば先生は学生の方ですよね?」
智也「うん。何年生に見える?」
白い歯を見せて軽く微笑む先生。目が面白がってる。何年に見えるのか気になるんだね…。でもこれで実際より上に言ったら「老けてる」って言ってるようなもんだし、下に言ったら下に言ったで「青臭い」って言ってるようなもんだし…。
美奈実「そうですね…。3年生くらいですか?20に見えます。18とかにしては雰囲気が落ち着いてる気がするし、逆に20より上にしては若く見えます。」
フォローを入れつつ無難に真ん中の学年。
智也「ほお。なるほどね。じゃあそういうことで。」
美奈実「え!教えてくださいよ!何年生なんですか??」
智也「言わん。気にせんでええやん。」
くすくす笑う先生。聞いといてなんだよ。気になるじゃん。
美奈実「もし私が現役合格したら、私の入学時に先生はまだ大学にいますか?」
智也「どうやろなー。入ってからのお楽しみね。」
美奈実「先生ー。…いいですよ。無理にはお伺いしません。」
またくすくす笑う先生。目尻が優しい。
でもさりげSだろ!なんで教えてくんないんだよ。気になるじゃん。