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【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)

第25章 夢√編 優しい嘘と最後のキス




ルイ「見たことはあったけど・・・こんなに近くまで、来たことはなかったから」

「・・・私も、似たようなもんだよ。上から見たことは数えきれないほどあるのに、こうやって、近くで見るのは・・・たぶん、片手で数えられるくらい」


(・・・ここで、驚いた顔をしていたルイに)


「ルイ、何か乗りたいものある・・・?」

ルイ「・・・・・・・・・・・・」

「ルイ・・・?」

ルイ「あ・・・ごめん。初めて来たから・・・賑やかで少し驚いた」


(・・・遊園地で、子どもみたいに瞳を輝かせていたルイに・・・一つでも多く、楽しい記憶を残してあげたい)

 それが、
 残された少ない時間で出来る
 唯一のことだと思った。

 私は繋いでいる手をきゅっと握って、
 ルイの顔を覗き込んだ。

ルイ「・・・・・・・・・っ」

「・・・来たかっただけ」

ルイ「・・・それが理由?」

(・・・・・・本当のことなんて、言えるわけない。この海に来た時は、自分の気持ちを隠してばかり・・・)

 誤魔化すようにヒールを脱ぎ捨てると、
 打ち寄せる波に向かって
 ルイの手をぐっと引き寄せた。

ルイ「・・・・・・・・・・・・冷たい」

 海に浸かってきょとんとするルイに、
 思わず笑みが零れる。

「ルイが、逃げないから」

ルイ「・・・君が、急に手を引くから」

 まだ戸惑った表情のルイに、
 手で掬った海水を躊躇無くかける。

ルイ「・・・え」

「海って、こうやって遊ぶんだよ」

ルイ「絶対、嘘」

「ほんと」

ルイ「・・・ほんと?」

 小さく笑って頷くと、
 ルイは少しだけむっとした顔をして
 水を掬った。

ルイ「それじゃ・・・」

「・・・・・・・・・冷たい」

 顔にかかって
 思いっきり顔をしかめると、
 ルイが悪戯に笑った。

ルイ「お返し」

 夕陽に染まる海を背に笑う
 ルイの表情に魅せられて、
 時間が一瞬だけ
 止まったような気がした。

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