【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)
第25章 夢√編 優しい嘘と最後のキス
執務室の扉が閉まると、
ジルは笑みを消してすっと眉を寄せる。
ジル「こんな嘘を吐かせたハワード卿を少し恨みますね・・・・・・プリンセス」
ジルは一瞬だけ視線を伏せると、
気を紛らわせるように
書類の山に手を伸ばした・・・――。
何度も行き来した長い廊下を、
ヒールを鳴らして歩いて行く。
ルイがいる場所までの道筋は、
もう目を閉じても向かえるほどに
体が足が・・・覚えていた。
(・・・・・・私に残された時間は、少ない)
扉の前で足を止め、
一度だけ深く息をついて扉を開けた。
「ルイ、入るよ」
ルイ「・・・・・・零」
机に向かっているルイに歩み寄って、
少しだけ強引に腕を取った。
「ルイ、今から私に付き合って」
ルイ「・・・え?」
驚くままのルイの手を引いて、
お城の門を抜ける。
ルイ「・・・・・・零、どこへ行くの?」
途中、
黙ったまま歩く私にルイが尋ねた。
「・・・・・・秘密」
肩越しに顔だけ向けて微笑んだ。
(・・・きっと、もうすぐ)
潮風が鼻と頬を掠める中、
砂浜を踏んでいく。
ルイ「ここ・・・・・・・・・」
「良かった、間に合った・・・」
視線の先は、
あの日と同じ色で
波が夕陽に染まっている。
ルイ「どうしてここに?」
(それは・・・・・・)