第12章 貴方が救世主?
「…君も、同じ…?」
サザーランドさんは少し目を細めて私を見た。
「私も子供の頃から、雪が降ると体調を崩すの。貴方の息子さんと同じ…冬島に近付くだけでもダメ」
「それは…何もない時でもかい?」
「えぇ、この間初めてそうなったわ」
そうか…と眉を顰める。
彼はきっとその症状に対して詳しい。私の言葉に疑い余地の無いと分かっているはずだ。
「すまない」
だけど返ってきた言葉は残酷だった。
「君が本当にその病だとしても…僕は治療法を教える事はできないんだ」
「…何故?」
「企業秘密だからさ…僕の昔の職業に関わってしまうんだ」
そんな。
折角のチャンスだと思ったのに。
折角…この忌々しい身体を治す手立てが見つかったのに。
「…そっか」
「…」
「それじゃあ仕方が無いわね 」
「すまない…」
仕方の無い事なんだ。
サザーランドさんにも事情はあるだろうし。それに首突っ込むのはきっと良くないだろうから。
また、一から…