第11章 彼女の人生を大きく変える出逢いとは
――――ガサッ
「!?」
雨が降り滴る森の奥、結構近い場所から物音。
音がした方に意識を向けると、隙を見たアクアは素早くおれから離れ、衣服を整えた。
おれが小さく舌打ちをすると、彼女は真っ赤な顔で睨む。
名残惜しいが、それよりも無人島であるはずのこの場に物音がする事がおかしい。
目を細め、右手を翳す。
「“ROOM”…“シャンブルズ”」
能力を使い、物陰に隠れているものを目の前に移動させた。
「オイシイ所を邪魔した罪は重い。覚悟は出来ているんだろうなァ…?」
「ひいぃィッ!す、すんません!」
「お、男の…人?」
惜しみなく殺意を向けると、現れた中年の男は頭を下げひたすら謝罪をしてきた。
【これが、彼女の人生を】
【大きく変える出逢いとは】