第11章 彼女の人生を大きく変える出逢いとは
「…何故こうなる」
島に上陸して早々、おれは深くため息をついた。
適当な入江に船を止め、詮索隊に島を調べさせた。
結果は特に収穫もなく、分かった事は無人島だという事。
自由行動を許されたクルー達は挙って「プライベートビーチだ!」と、着ていたつなぎを脱ぎ捨て、砂浜へと飛び出して行った。
普段から海に携わって生活しているくせに、何をはしゃいでいるんだか。おれには理解出来ない。
予想はしていたが、着いた島は夏島。兎に角陽射しが強い。
クルー達のようにはしゃぐ気には更々なれず、一人部屋へ戻ろうとしたら。
「キャプテンは遊びに行かないのー?」
先程まで暑さでダウンしていたベポがおれを呼び止めた。ウキウキした顔で水着なんか履いてやがる。
おれはいい、と再び踵を返した所で、聞き捨てならない言葉を耳にした。
「そっかー。せっかくアクアも水着着てくるのになぁ」