第11章 彼女の人生を大きく変える出逢いとは
「せんちょー!島が見えまーす!」
「…島だと?」
おかしい。
ペンギンが前の島で聞いた話では、ログが指す島までは最低でも一ヶ月かかると言っていた。
なのにまだ一週間しか経っていない。
クルー達もそう聞いていた所為か、甲板に出ていた者たちは、見張りをしていた者が指差す方へ目を向ける。
「船長…」
騒ぎに気付いたペンギンも出てきて、少し戸惑っているようだ。
「…別にお前の話が間違っているとは思わねェよ。現に指針はあの島を指していないんだろ?」
ペンギンの腕にあるログポーズ。
それは段々とはっきり見えてきた島より少し右を指していて。目的の島では無い事が分かる。
「きっと指針が指さないのよ。磁気を放ってない島なんて“偉大なる航路”ならあってもおかしくないわ」
アクアの言う通りだろう。そんな事で一々驚いていても仕方ない。