第8章 荒れていた心に滲んでいく優しい光
「私…トラファルガーに酷い事言った…」
「…あァ」
「怒ってる、よね」
「…いや、それは違うと思うな」
くくっ、と意味深な笑いを見せたペンギン。それにシャチもベポも、同じように笑いだして。
私はいよいよ怪訝な目を向けるしか出来なくなった。
「あァ、悪い悪い。しかし、本当に似た者同士だ」
「…?どういう意味、」
「もし謝りたいと思うなら、本人に言ってくれ」
私に背を向けたペンギンは、ゆっくりと部屋の扉を開いた。
「…」
「…トラファルガー…」
そこに立っていたのは、壁に背を預けて腕を組む彼だった。
「…」
「…」
謝らなきゃ。
だけど、こんな性格上、謝罪する事に慣れていなくて、何から言っていいのかわからない。
言わなきゃいけない事が沢山あるのに。
私は俯いたまま、彼の顔を直視出来ない。