第8章 荒れていた心に滲んでいく優しい光
「アクア…ごめんね。辛い事思い出せちゃって。でもね、アクアはもう一人じゃないから…一人で抱え込まなくていいんだよ」
「ベポ…」
「正式ではないかもしれないけど…おれ達はアクアの事、仲間だと思ってるから」
仲間。
私にはそんなもの要らないと思った。
大事なものが無くなる思いをもうしたくなかったから。
だけど…ずっと憧れていた。
仲間とか、家族とか。自分にとって大事だと思えるものに。そして、私の事を大切に思ってくれる人に巡り会える事に。
私は出逢えたのだろうか、そう思い合える仲間に。
「アクアはもうおれ達の仲間だ」
「…ペンギン」
「そうだぜ。憎まれ口は可愛くねェけどな!」
「シャチ…」
嬉しい。
こんな生意気な事しか言えない私なんかを、仲間だと思ってくれるなんて。
そんな日が来るなんて。