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【外科医】 キミ色に染まる  【完結】

第7章 こんな状況でさえ、流れる涙が無い



 私の覚悟は生半可なものなのか。


 ううん、そんな訳ない。

 彼らみたいに“必ず倒す”とは違うけど。私だってずっとそればかり考えていた。家族の、島の皆の仇を必ず取る。
 そして、もう私と同じ想いをする人がいないように。


「私は、見過ごすなんて出来ない」


 当然の答え。
 黙って見ているなんて、絶対出来ない。

 私は、絶対あの男を…!



「なら、加える事は出来ない。勿論、お前が無鉄砲に飛び込んで行くのも許さねェ」
「…それは関係ないでしょ。どうしても止めるなら、私はこの船を下りるわ」
「おれに逆らう気か」

 射抜かれるような鋭い視線が私に突き刺さる。

 
 どんなに生意気言っても、そんな眼差しを向けられた事はなかった。顔には出さないけど、私の背筋は凍るように冷たい。

 だけど、こればかりは譲れない。私もトラファルガーを睨み返した。

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