• テキストサイズ

【外科医】 キミ色に染まる  【完結】

第7章 こんな状況でさえ、流れる涙が無い



「へェ…じゃあ、アクアは冬島出身なのか」
「私は“北の海”出身よ」
「え?じゃあおれ達と同じ…」
「そうね。案外ご近所さんかもしれないわ」

 海賊の情報なんて、私の島を襲ったやつら以外興味はないけど、同じ“北の海”出身で億越えルーキーとなれば、嫌でも耳に入ってくる。だから私は彼らを知っていた。

 ”北の海”に思入れなんて特にないけど、少なからず親近感は沸くもの。
 私は「偶然だな」なんて返事を予測していた。


 だけど、私が“北の海”出身だと告げた途端、四人とも目を丸くして眉間にシワを寄せた。普段ニコニコとしているベポやシャチでさえも。
 私には何故皆がそんな表情をするのかが分からない。


「聞くがアクア…お前の故郷は“マテリア島”か…?」

 一番に口を開いたのはペンギンだった。

「えぇ、そうよ」
「…そうか」

 私がそう答えると、また黙ってしまった。

 一体何を考えているのだろうか。

/ 184ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp